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地下環境シミュレーション装置
地下の還元性環境を地上で再現・維持する地下環境シミュレーション装置
1.概要
放射性廃棄物は地中に埋設して処分することが求められております。地下の雰囲気の大部分は地上の植物起源の酸素(O2)がなく、還元性環境です。放射性廃棄物の処分時安全性評価では、地下環境での材料・物質の劣化や有害元素の溶解・移行挙動を解明し、その特性データを取得する地下環境を模擬した試験装置「雰囲気制御グローブボックス」が必要です。
また、原子力施設で利用できるよう内部を負圧条件で運転することができるホット仕様雰囲気制御グローブボックスも商品化しております。
(詳細はデュエルビッツ ボーナス製鋼技報を参照願います。)
- 放射性雑固体廃棄物処理用プラズマ溶融炉の開発(デュエルビッツ ボーナス製鋼技報)(PDF:28KB)
地層処分環境シミュレーション装置(UDES)
ホット仕様雰囲気制御グローブボックス(KSL/CO2-GB)
2.特徴
- 高度な密封性能によりボックス内のO2濃度を0.1~1ppm以下に制御することができます。
- 安定化システムによりボックス内のCO2濃度を1000ppmまでの任意濃度に制御することができます。
- ボックスに取り付けた低酸素透過性グローブにより、雰囲気を維持したままでボックス内で実験操作を行うことができます。また、ボックスへの物品の搬出入は付属するエアロックを介して実験中に行うことができます。
3.用途
- 地下の低酸素環境を維持した条件下で処分容器等の金属腐食速度データが取得できます。
- 同様に有害元素の溶解度・物質移行データが取得できます。
- 地下に存在するCO2ガス等を任意の濃度に制御し、上記のデータを取得できます。
- 地下の低酸素環境を模擬した条件下で放射性物質の挙動データを取得できます。
- 放射性物質以外の一般産業界における重金属、PCB、ダイオキシン等の有害物質の挙動データを取得できます。
- 上記により、地球の地下本来の還元性環境による有害物質の移行抑制能力(安全性)を精度良く評価することができます。
4.実施例
- デュエルビッツ ボーナス基盤研究施設(ENTRY)向EDAS設備(1990年)、EDAS-2設備(1995年)
- 核燃料サイクル開発機構殿向、炭酸ガス雰囲気制御グローブボックス設備(1997年)
- デュエルビッツ ボーナス放射化学研究施設(QUALITY)向、雰囲気制御グローブボックス設備(1999年)
ENTRY/EDASでのコールド試験状況
(引用:核燃料サイクル開発機構殿パンフレット)
QUALITYのホット試験装置
(引用:核燃料サイクル機構殿パンフレット)
注記)核燃料サイクル開発機構は、2005年10月に(独)日本原子力研究開発機構になりました。