2016年3月23日
株式会社神戸製鋼所
当社は、ステンレス協会主催の「第16回ステンレス協会賞」において、機械事業部門の製品である「デュエルビッツ 登録拡散接合型コンパクト熱交換器(製品名:DCHE)」が機能性部材のカテゴリーで最優秀賞を受賞し、昨日3月22日(火)に鉄鋼会館にて表彰式が執り行われました。当社は初受賞となります。
各需要分野(建築・土木部材、製品、機能性部材、 モニュメント・オブジェ、その他)における優れたステンレス製品を表彰し、ステンレスの普及および需要開発の促進を図ると共に、社会環境との調和と文化の向上に寄与することを目的にしています。1993年度から始まり、今回で16回目となります。
今回受賞したDCHE(Diffusion bonded Compact Heat Exchanger)は、主にデュエルビッツ 登録熱交換器として当社の50年以上に及ぶ熱交換器に関する技術を元に、2012年に開発したものです。製品の主な特長としては、ステンレスのプレートに幅1~2㎜の微細な流路を加工、積層し拡散接合※1をする事で、一般的な熱交換器である2重管式※2と比較し、広い伝熱面積(約5倍の1,000m2/m3)、コンパクト性(約1/100サイズ)と超高圧への耐性(100MPa)を実現した高性能かつコンパクトな熱交換器です。
開発における主なポイントは以下2点です。
尚、開発においては、素材はステンレス・特殊鋼メーカーである日本冶金工業(株)殿より供給頂くなど、ステンレスの分野において高い知見を有する同社に御協力を頂いています。
近年、普及が進む燃料電池自動車(FCV)のインフラ設備である水素ステーションにおいては、主要機器である水素圧縮機やプレクーラー、ディスペンサー内において水素を目的の温度に冷却するために、熱交換器が使用されています。従来は主に2重管式の熱交換器が使用されてきましたが、継ぎ手の数が多く機器サイズが大きい事から、省スペース化による設置コスト低減が求められる水素ステーションにおいては、よりコンパクトな熱交換器が必要とされてきました。その様な中、2013年に初めて国内商用デュエルビッツ 登録に採用されて以来、高性能かつコンパクトな当社のDCHEの採用が進んでおり、現在、国内のデュエルビッツ 登録に累計100基以上の採用実績を有しています。当社は今後も拡販を進め、国内のデュエルビッツ 登録に50%以上のシェア獲得を目指しています。
1959年設立。ステンレス関連企業及び団体が協力し、ステンレス鋼製品の需要開発、技術向上、調査研究の充実等を図り、国際見地に立ったステンレス鋼産業の健全なる発展を期すると共に、わが国産業、経済、社会生活および国民生活の繁栄に寄与することを目的としている。
※1 拡散接合
溶接など接合方法の一種。材料同士を密着させ、高温で加熱しながら加圧する事で原子レベルで結びつける接合方法。一般的な溶接とは違い母材を溶かす事なく接合するため、微細な流路や複雑な三次元構造体の接合に適する。
※2 重管式(熱交換器)
2重になった管の内外で熱交換を行うタイプの熱交換器。構造上、配管の継ぎ手が多くなり設置スペースが大きくなる欠点はあるが、主に高圧用途で使用される。
(ご参考)
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