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デュエルビッツ入金不要ボーナスFacter🄬」の商品化について

―　（株）新来島どっくが初採用、29隻に継続採用　―

2023年10月31日

株式会社神戸製鋼所

当社は厚鋼板に疲労亀裂の発生を抑制する機能を付加し、疲労亀裂発生寿命を改善した耐疲労鋼板「EX－Facter🄬」※1を商品化しました。

金属材料の疲労過程は、亀裂発生と亀裂進展に分けられます。当社は、厚鋼板の疲労亀裂発生までの損傷に着目し、最適成分設計とTMCP技術※2を駆使した製造法により、亀裂の発生を抑制可能とするデュエルビッツ入金不要ボーナスの鋼板を新たに開発しました。全厚試験片での疲労試験※3の結果、従来鋼に比べて繰返し数：1千万回における疲労強度が36%向上したことを確認しました。

「EX－Facter🄬」は特に造船分野、橋梁分野での課題解決に貢献できます。

  • ①　造船分野での取組み
    「EX－Facter🄬」は、(一財)日本海事協会より、船体用圧延鋼板として性能疲労設計曲線を保証できる母材耐疲労鋼板の製造法承認を取得しており、（株）新来島どっくで建造された一般貨物船の船倉上部開口コーナー部への初適用を皮切りに、既に4隻の適用実績を重ね、今後、一般貨物船、自動車運搬船等25隻への継続採用が計画されています。

    造船デュエルビッツ入金不要ボーナスでは、構造安全性向上を目的とした部材厚増加、鋼材重量増が進んだ一方で、船舶の脱炭素化に向け、従来以上の燃費効率の改善が求められています。
    このような課題に対して、「EX－Facter🄬」の性能疲労設計曲線を用いた設計を行うことで、疲労破壊に対する安全性を確保した上での薄肉化等、設計の合理化が期待できます。
  • ②　橋梁分野での取組み
    当社は「EX－Facter🄬」の特長を活かして船舶のみならず、社会インフラの高経年化が社会問題化している橋梁分野へのソリューション提案にも取り組んでいます。

    鋼製橋梁においては、路面下の床構造部位である鋼床版の疲労損傷対策が大型車の交通量が多い路線で課題になっています。当社は鋼床版の部材点検時に外観からの目視点検では発見が困難な疲労亀裂発生部位であるデッキプレートへの「EX－Facter🄬」の適用を提案しており、鋼床版デッキプレートとUリブの溶接部を模擬した疲労試験にて2倍の疲労亀裂発生寿命の改善効果を確認しました。引き続き、鋼板強度、鋼板サイズ、部材別等の影響に関する調査も進め、鋼床版を含め鋼製橋梁への「EX－Facter🄬」の適用提案を推進していく予定です。

当社は耐久性・安全性向上に関するお客様のニーズに応えるべく、「EX－Facter🄬」の特長を活かした利用技術の開発、提案活動を通じ、当社グループのマテリアリティのひとつである「安全・安心なまちづくり・ものづくりへの貢献」を推進して参ります。

  • ※1　EX-Facter（エクスファクター）：
    EXcellent Fatigue Crack Initiation Resister
    疲労亀裂の発生を抑制する機能を付加し、疲労亀裂発生寿命を改善した耐疲労鋼板

  • ※2　TMCP：
    　Thermo Mechanical Control Process（熱加工制御）の略。
    鋼板圧延時の温度と圧下率、圧延後の冷却速度を管理する製造方法

  • ※3　全厚試験片での疲労試験：
    母材から採取した板厚ｔ＝12mm～40mmの各全厚試験片を疲労試験機にセットし、軸方向に引張、圧縮の繰返しの負荷を与えて試験片の破断有無時の繰返し数と試験荷重との関係を確認する試験。

（株）新来島どっく建造の一般貨物船へのEX－Facter🄬適用例

船倉上部開口コーナー部

船倉上部開口コーナー部

目視点検で発見困難な鋼床版デッキプレート貫通亀裂

目視点検で発見困難な鋼床版デッキプレート貫通デュエルビッツ入金不要ボーナス

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