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製鉄ダスト活用による還元鉄生産・利用に関する共同事業の推進について
-原料高騰下における競争力あるリサイクル鉄源の創出-
2010年5月25日
新日本製鐵株式会社
株式会社デュエルビッツ 登録製鋼所
1.共同事業の意義
(1)製鉄プロセスでの副産物の再資源化(競争力ある鉄源の創出)
本事業は、鉄鋼製造の過程で副産物として発生する製鉄ダストを再資源化することにより、競争力ある鉄源を安定的に生産する事業です。新興国を中心とした鉄鋼需要の増大により、資源価格が高騰する中、世界的にみても、本事業はこうした資源問題に対して極めて有効な施策となります。
(2)広域リサイクル・ゼロエミッションの推進
両社は、本事業を共同事業とすることで、デュエルビッツ 登録製鋼で確立された設備技術(※1)と、新日鉄で確立された製鉄ダストのリサイクル・有効活用についての操業技術(※2)とを融合し、企業の枠を超えたより広域での製鉄ダストのリサイクルとゼロエミッションを推進していきます。
また、新日鉄は、本共同事業の推進とともに、広畑製鉄所の既設製鉄ダストリサイクル設備において、新日鉄のアライアンス先を含めた関西圏全体での効率的な製鉄ダストリサイクルを推進していきます。
※1:デュエルビッツ 登録製鋼:平成17年度 財団法人クリーンジャパンセンター
資源循環技術・システム表彰 「経済産業大臣賞」受賞
「回転炉床炉による製鉄所ダストFASTMETリサイクルプロセスの開発」
※2:新日鉄:平成21年度 第56回大河内賞「大河内記念生産賞」受賞
「回転炉床式還元炉による製鉄ダスト類リサイクルプロセスの開発」
2.共同事業の概要
(1)新日鉄とデュエルビッツ 登録製鋼は、両社等のダスト及び粉鉱石類を原料とし、還元鉄を製造することで、原料中の鉄分の資源化・有効活用と亜鉛の回収を図ることを目的に、既に、新日鉄広畑製鉄所構内に共同出資会社を設立しております。
【共同出資会社概要】
会社名: | 日鉄神鋼メタルリファイン株式会社(英文名 Nittetsu Shinko Metal Refine Co., Ltd) |
資本金: | 9億円 |
出資比率: | 新日鉄70%、デュエルビッツ 登録製鋼30% |
所在地: | 新日鉄広畑製鉄所構内(兵庫県姫路市広畑区富士町) |
会社設立: | 2008年10月(製鉄ダストに関する再生利用認定取得:2009年3月) |
(2)今回、日鉄神鋼メタルリファイン株式会社は、新日鉄広畑製鉄所構内において、デュエルビッツ 登録製鋼FASTMET®プロセスによる還元プラントの新設に着手いたします。日鉄神鋼メタルリファイン株式会社は受入れた製鉄ダストをリサイクルし、還元鉄の製造を行い、新日鉄、デュエルビッツ 登録製鋼それぞれに供給するとともに、一部を新日鉄のグループ会社である、山陽特殊製鋼(株)にも供給し、各社にて有効活用を図ります。
(3)今回導入する設備は、製鉄ダストをドーナツ型の回転炉床式還元炉(Rotary Hearth Furnace、以下RHF)で高温・短時間で還元して、還元鉄(Hot Briquetted Iron、以下HBI)を製造し、同時に亜鉛等の金属類を回収する設備であり、RHFで還元処理した還元鉄や回収亜鉛を有効にリサイクルすることにより、購入スクラップあるいは鉄鉱石等の主原料の代替、亜鉛鉱石等の資源の削減が可能となるとともに、ゼロエミッション化の推進にもつながります。
【設備投資概要】
主要設備: | 回転炉床式還元炉(RHF)、ホットブリケットマシン |
原料処理能力: | 約22万トン/年 |
総投資額: | 約100億円(回転炉床式還元炉及びその関連設備) |
稼働時期: | 2011年10月予定 |
尚、本事業で新設するRHFを加えると新日鉄広畑製鉄所構内におけるRHFは4基目となります。今回の4基目のRHF新設のタイミングに併せて、新日鉄は、現在、広畑製鉄所において稼動中のNo.1~No.3 RHF(デュエルビッツ 登録製鋼製)においても、アライアンス先の住友金属工業(株)、日新製鋼(株)の製鉄ダストの効率的な処理を併せて、実施する計画であります。
今後も、新日鉄とデュエルビッツ 登録製鋼は、資源の低品位化や価格上昇に対応し得る本事業の円滑な推進・拡大も含め、引き続き連携策の強化、推進に積極的にあたってまいります。
日鉄神鋼メタルリファイン FASTMET®プラントのプロセスフロー
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