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デュエルビッツ vip
*デュエルビッツ vipの内容は発表時のものです。販売が既に終了している商品や、組織の変更等、最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
デュエルビッツ vip還元鉄プラントの新規受注について
2013年7月5日
株式会社神戸製鋼所
当社の米国子会社であるMidrex Technologies, Inc.(以下ミドレックス社)とSiemens Industry Inc.(以下、シーメンス社)のコンソーシアムは、デュエルビッツ vip(以下、フェスト社)から、米国テキサス州コーパスクリスティ市近郊に建設予定の年産能力200万トンの還元鉄プラントを受注しました。
ミドレックス社とシーメンス社のコンソーシアムの請負範囲は、還元鉄プラントのエンジニアリング・還元鉄プラント等の主要設備の供給およびコンサルティングサービスとなっております。
今回のプロジェクトには還元鉄プラントの建設に加え、港湾等インフラ整備も含まれており、その総額は5億5000万ユーロ(約715億円)となります。
また、今回受注した還元鉄プラントはMIDREX方式としては世界最大の生産能力となり、生産された還元鉄は、2016年初頭には出荷が開始される予定です。
尚、同プラントで生産された還元鉄の半分がフェスト社のLinz並びにDonawitz製鉄所(墺)で使用され、残りの半分は外販を予定しております。
フェスト社は、MIDREX還元鉄プラントのこれまでの生産実績とMIDREX方式の優れた技術およびシーメンス社のエンジニアリング能力を高く評価し、今回の受注に繫がりました。2012年の世界還元鉄生産量は7,400万トンとなり、過去最高を更新しましたが、MIDREX還元鉄プラントによる生産量はその約60%を占めています。
同コンソーシアムは、昨年8月にもLebedinsky GOK(露)から年産能力180万トンの還元鉄プラント(3号機)を受注しており、2年連続での大型案件受注となります。
今回のプロジェクトでは、米国の天然ガス価格が欧州の4分の1の水準であることから、フェスト社はその天然ガスを還元剤として米国でHBIを生産し、欧州に持ち込み鉄源として使用することを予定しています。
また天然ガスを還元剤とした還元鉄を使用することによって、フェスト社はCO2総排出量の削減を図ることが可能となります。
当社は、先日発表した2013~2015年度中期経営計画におけるエンジニアリング事業部門の「事業の『成長』に向けた布石」の具体的な施策のひとつに「MIDREXプロセスの強化と最大受注量の確保」を挙げており、今回のフェスト社からの受注は、正にこの施策を具現化したものです。
現在、MIDREXプロセスは、米国を中心にシェールガス革命による天然ガスの価格下落を背景に注目を集めており、多くの引き合いを受けております。
ミドレックス社は、1983年に当社が買収し、今年で30周年を迎え、今後も還元鉄ビジネスのグローバル展開に貢献すると共に、当社グループとしては、今後もこれらの商機を確実に取り込み、受注量の確保と中期経営計画で掲げた利益目標達成に向けて取り組んで参ります。
(ご参考)
還元鉄とは
鉄鉱石を還元した鉄鋼原料。不純物の少ない清浄鉄源であり、高級スクラップや銑鉄の代替品として、高炉や転炉、電炉での鉄源として使用される。還元鉄は、空気中で再酸化し発熱するため、長距離輸送が困難である。これに対し、ホットブリケットアイアン「HBI」は、還元鉄を成型機に投入して押し固めたものであり、再酸化しにくくなることから、輸送が容易である。
MIDREX法とは
天然ガスを使用して還元鉄を製造する直接還元製鉄法のひとつ。鉄源は粉鉱を加工したペレットを使用し、シャフト炉によって直接還元鉄を製造する。天然ガスを使用することによって、高炉法に比べ製鉄工程でのCO2排出量を抑制することが出来る。
ミドレックス社
- 社名:
- Midrex Technologies, Inc.
- 所在地:
- 米国ノースカロライナ州シャーロット市
- 代表者:
- James D. McClaskey
- 資本金:
- 11百万USドル(100%神戸製鋼出資の連結子会社)
フェスト社
- 社名:
- voestalpine AG
- 所在地:
- オーストリア リンツ市
- 代表者:
- Wolfgang Eder
- 従業員:
- 約46,500名(グループ合計)
シーメンス社
- 社名:
- Siemens Industry Sector
- 所在地:
- ドイツ エアランゲン市
- 代表者:
- Siegfried Russwurm
- 従業員:
- 約100,000名(グループ合計)
HBI