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デュエルビッツ 入金ボーナスKPAC-1」が新ルール適用船に初採用

2013年11月19日

株式会社神戸製鋼所

当社は、原油タンカーのタンクに対する防食新ルールが適用された鋼板を開発し、NK船級より新ルールに基づく承認を取得しておりましたが、このたび、株式会社新来島どっくグループにて建造中の新ルール適用のタンカーの底板に高耐食鋼「KPAC-1」がデュエルビッツ 入金ボーナスされました。新ルール適用船への耐食鋼のデュエルビッツ 入金ボーナスは業界では初めてのことになります。「KPAC-1」は添加元素を工夫して化学成分を調整することにより、従来鋼と比較しておよそ4倍程度の耐食性能を有している鋼板です。

原油タンカーにおいては、国際ルールによりカーゴオイルタンク(タンカーで原油を直接入れる部分、以下COT※1)に対する防食ルール※2が2013年1月1日以降の建造契約船に適用されています。この新ルールは腐食が原因となる原油流出を防ぎ海洋汚染を阻止すべく制定されたものです。
デュエルビッツ 入金ボーナスCOT底面は、原油に含まれる塩分が沈殿することにより腐食が進行しやすい環境にありますが、以前はCOTの腐食対策についての規定はありませんでした。近年大規模な油流出事故が続けて発生したことにより腐食対策強化への動きが活発化し、2010年にSOLAS条約(海上における人命の安全のための国際条約)にて2013年1月1日以降に建造契約が結ばれた載貨重量5,000トン以上の原油タンカーCOTに、塗装もしくはルールに適合した耐食鋼による防食措置が義務付けられました。

当社が開発したCOT内底板用耐食鋼「KPAC-1」は、当社が50年以上に渡る耐食鋼の基礎研究で蓄積した知見を活かし、タンカー底部での腐食環境にマッチした最適成分設計とした鋼材です。具体的には、添加元素の工夫をして化学成分を調整することにより、タンカー底部で想定される強酸性環境下においても優れた耐食性能を保有しつつ、船体構造用として求められる母材特性や溶接施工性や溶接継手特性についても通常鋼材と同等以上の優れた性能を有している鋼材になります。
当材料を使用することにより以下の効果が期待されます。

  1. 安全性の向上:無塗装で使用しても、鋼材が持つ優れた耐食性能により腐食の進展を抑制
  2. 建造時の塗装作業低減および工期を短縮
  3. ランニングコストの低減:再塗装などの補修費用が不要

これらの優れた特性が認められ、2013年4月に日本海事協会船級(NK船級)より新ルールに適合した耐食鋼としての承認を取得し、他船級についても承認取得を進めています。また、新ルールでは鋼材に加えて、溶接継手の耐食性能についても承認が必要となりますが、当社は溶接部門を有しており、密接に連携して技術対応や溶接材料の承認取得も進めております。
なお、本鋼板は今回のルール改定を見越して2005年に開発していた商品ですが、新ルールが制定される以前の2006年より、6隻のタンカーに合計5,000トンを実船適用し、ドックでの定期検査時に追跡調査を実施してきました。その結果によれば、ピットと呼ばれる腐食箇所が大幅に低減(最大1/100程度)※3し、これまでであれば定期検査時に不可避であったピットの補修作業が不要になる等、良好な結果を確認しています。この結果の一部については、明日、京都で開催される国際会議(NACE International East Asia & Pacific Rim Area Conference & Expo 2013 於いて国立京都国際会館)にて報告発表予定としております。

今後新ルール適用のタンカー建造が増大していきますが、当社は今回のデュエルビッツ 入金ボーナスを皮切りに、COT耐食鋼KPACシリーズのデュエルビッツ 入金ボーナス拡大を図って参ります。

※1 カーゴオイルタンク(Cargo Oil Tank:COT)

※2 2010年5月に開催されたIMO海上安全委員会(MSC87)にて、SOLAS条約改定案が採択され、2013年1月契約船以降の載貨重量5,000トン以上のタンカーについて、Cargo Oil Tankの内底板廻りおよび強力甲板の防食が義務化

※3 KPAC-1による底板における腐食ピット低減効果の一例
(建造後2.5年および5年後の深さ2mm以上の腐食ピットの数の比較)

(ご参考)

タンカー底板に発生する腐食ピットと発生機構(イメージ)

KPAC-1の耐食性向上メカニズム(イメージ)