Online edition:ISSN 2188-0913
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正誤表付加(2022年9月6日)
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デュエルビッツ カジノ・環境分野における当社グループの技術開発
当社グループはエネルギーや環境におけるさまざまなニーズに対応する技術を開発・商品化しています。また、近年は地球温暖化が大きな社会問題になってきており、創エネ/省エネ、デュエルビッツ カジノ、CO2排出の少ない天然ガスを使用する技術など、温室効果ガスの削減に貢献する技術開発にも力を入れています。
デュエルビッツ カジノ・環境特集の発刊にあたって
P.01
森崎計人
【冒頭】
気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change:IPCC)は、2017年の世界平均気温が産業革命当時と比べて1℃上昇したとの発表を行った。近年、台風やハリケーン、洪水、山火事などの自然災害が多発し、激しさを増しているのは、地球温暖化による影響が大きいといわれている。2015年12月に締結され、2020年1月から運用が開始されたパリ協定においては、地球温暖化への対応は先進国だけでなく、発展途上国を含めた世界的な取り組みとなっており、その効果が期待されている。また、2019年に我が国において「パリ協定に基づく成長としての長期戦略」が策定され、企業の事業活動を通じた脱炭素社会に向けての貢献も重要になってきている。(続きは右下のダウンロード)
燃料電池自動車向け再エネ由来デュエルビッツ カジノステーションの実証
P.03
藤澤彰利・木下 繁・三浦真一・中尾末貴・鈴木文昭・山下和宏
デュエルビッツ カジノステーション向けのデュエルビッツ カジノ製造時のCO2排出量を大幅に削減するためには再エネ電力由来の水電解デュエルビッツ カジノを用いることが有効である。当社は、固体高分子型水電解式デュエルビッツ カジノ発生装置(20Nm3/h)および製造したデュエルビッツ カジノを高圧デュエルビッツ カジノ(45MPa)として貯蔵する設備を標準的なデュエルビッツ カジノステーション(デュエルビッツ カジノ供給能力300Nm3/h)に増設する形態を考案し、その実証設備を設計・製作した。実証運転では水電解式デュエルビッツ カジノ発生装置を変動電源で約780時間運転し、追随性や耐久性に問題がないことを確認した。また、デュエルビッツ カジノステーションとの連携運転により、設計したシステム全体の機能を実証した。今後、さらなるコストダウン・効率向上を検討するが、CO2排出量の少ないデュエルビッツ カジノの社会的な価値設定も必要と考えられる。
デュエルビッツ カジノ充填シミュレーションを用いたデュエルビッツ カジノステーション設計技術
P.07
山下和宏・鈴木文昭・福谷啓太・高畠和郎・勝山 拓
デュエルビッツ カジノステーションビジネスにおいては、今後の燃料電池自動車(FCV)の普及拡大に合わせて用途に合った充填能力と設備投資額のバランスを取った設備仕様の設計が望まれている。(株)神鋼エンジニアリング&メンテナンスプラント事業部が保有するデュエルビッツ カジノ充填非定常シミュレーション技術を活用することによって、充填設備の主要機器である圧縮機の能力と蓄圧器の容量の組み合わせを用途に合わせて最適化し、デュエルビッツ カジノステーションの建設コストを削減できる。本稿では、一般的なFCV向けデュエルビッツ カジノステーション、設備建設コストの削減をねらった廉価版デュエルビッツ カジノステーション、およびFCバス向けデュエルビッツ カジノステーションの3つのケースに関するデュエルビッツ カジノ充填シミュレーション検討事例を紹介する。シミュレーション検討の結果、それぞれの用途のデュエルビッツ カジノステーションにおける充填設備の基本仕様および充填能力を把握できる有用なデータが得られた。
デュエルビッツ カジノ社会の到来を見据えた水電解式デュエルビッツ カジノ発生装置HHOGの開発状況
P.13
石井 豊・中尾末貴
(株)神鋼環境ソリューションは将来のデュエルビッツ カジノ社会の到来を見据え、固体高分子電解質膜を用いた水電解式デュエルビッツ カジノ発生装置HHOG(High-purity Hydrogen and Oxygen Generator)の技術開発に取り組んでいる。近年は再生可能エネルギーの変動電力を用いたデュエルビッツ カジノ製造技術開発に関する実証事業に参画し、その成果や当社がこれまで蓄積してきた知見を活用してHHOGのさらなる改善、改良に取り組んでいる。その成果として、HHOGのシステム構成機器の仕様見直しにより、従来のHHOGと比べてイニシャルコストおよび装置の設置面積を低減することができた。これはデュエルビッツ カジノ発生量が60Nm3/hの装置の場合では、それぞれ約30%および約20%に相当する。また、デュエルビッツ カジノ製造時の消費電力低減については、従来と比べて約10%低く抑えた電気分解モジュールの開発により、デュエルビッツ カジノ製造効率を向上できた。このほか、太陽光発電電力の急激な変動に追従してHHOGでデュエルビッツ カジノ製造可能であることも複数の実証試験を通じて確認でき、再エネデュエルビッツ カジノステーション用途や複合エネルギー貯蔵システム向けの水電解装置として利用できることが実証された。
LNG燃料船用圧縮機
P.20
高木 一・瀬山勝広・衣川博継・手塚智志・友近貴之
船舶業界の環境規制強化に伴って低速2元燃料エンジンのME-GIとX-DFが注目されており、これらエンジンのガス供給システムに使われる圧縮機の需要拡大が見込まれる。本稿では、両エンジンを概説するとともに、当該用途用のレシプロ圧縮機の特徴を解説した。水平対向型圧縮機に比べてスペースが小さい竪型圧縮機で、かつメンテナンス性の優れた設計とした。採用したピストンリング式ピストンは、ラビリンス式に比べてデュエルビッツ カジノ効率に優れ、金属どうしの接触リスクが低い。ガスの発生量の変化や複数先へのガス供給に対応した制御を取り入れ、無給油式シリンダと給油式シリンダの組み合わせによりガスへの油混入問題解決と摺動部品の良好な耐久性・信頼性を両立させた。
中間媒体式LNG気化器(IFV)を用いたLNG受け入れ基地における冷熱利用
P.24
鈴木朝寛・江頭慎二・澄田祐二
LNG気化器の一つである中間媒体式気化器(IFV)は従来、冷熱発電などのLNGの冷熱利用が可能な気化器として用いられている。しかしながら近年、ガスタービン吸気冷却などにIFVからの冷水を利用する冷熱利用案件が増加している。
本稿では、洋上受入基地を含めたLNG受入基地の最新動向のほか、冷熱利用するうえでのIFVのLNG気化器としての特徴、およびIFVを用いたガスタービン吸気冷却をはじめとする冷熱利用事例を紹介した。
DCHETM(拡散接合型コンパクト熱交換器)の適用用途拡大
P.30
三輪泰健・東 正高・野一色公二
コンパクト熱交換器の一種であるマイクロチャネル熱交換器は、軽量化・コンパクト性が要求される用途や洋上設備用機器として需要の増加が期待されている。その中でも、近年液化天然ガス(LNG)を用いた燃料供給システムやサテライト基地向け小容量LNG気化器としての需要が増加している。本適用用途では耐圧性やコンパクト性が求められるほか、熱媒となる流体の凍結に対する対策も必要になる。拡散接合型コンパクト熱交換器(Diffusion Bonded Compact Heat Exchanger:DCHETM)では凍結を抑制するコンセプトを熱交換器設計に取り入れ、液体窒素やLNG を用いて試験を実施、気化性能範囲や凍結に対する設計指針を確認した。本稿では、DCHETMのLNG気化器用途に向けた取り組みについて紹介する。
大容量処理に適したフロー合成用SMCRTM(積層型多流路反応器)
P.36
市橋伸理・大園知宏・松岡 亮
従来の攪拌槽型反応器に代わるフロー(連続)合成反応器であり、大容量処理が可能なマイクロチャネルリアクタであるSMCRTM(Stacked Multi-Channel Reactor)を開発した。開発後の取組として、金属製SMCRのラインナップに加えて、用途拡大を目指し、高い耐食性を持つセラミック製SMCRTMを開発し、熱衝撃に対する検証試験も実施した。さらに機器の供給のみでなく、SMCRTMの商業化への促進を目的として、基礎試験やベンチ試験を積極的に受託して実施している。ベンチ試験では、当社内に設置したベンチ試験装置で検証試験を行い、SMCRTMユニットの有用性を検証している。
圧縮空気デュエルビッツ カジノ貯蔵システム
P.42
猿田浩樹・佐藤 隆・中道 亮・戸島正剛・久保洋平
CO2排出量削減の観点から、再生可能デュエルビッツ カジノの不安定な出力を平準化するための大規模蓄電設備の普及が待望されている。圧縮空気デュエルビッツ カジノ貯蔵システムは、長時間かつ大容量のデュエルビッツ カジノを貯蔵するのに適している。とくに、岩塩層が広く分布する北米や中華人民共和国などにおいては、その岩塩層中に形成した地下空間を圧縮空気の貯蔵に用いると設備のkWh単価を低下させることができる。応答性は1MWクラスの大型の実証設備で取得したデータをもとにしており、指令に対して秒単位で追従することができている。さらに、圧縮空気デュエルビッツ カジノ貯蔵システムの今後の展開を述べる。
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正誤表付加(2020年8月27日)
IoT(Internet of Things)を用いた汎用圧縮機のクラウドサービス「KobelinkTM」
P.47
森本光孝
当社圧縮機の安定稼動に向けて、高機能かつ低コストなIoTクラウドサービスシステム(KobelinkTM)を開発した。本システムは通信配線工事が不要で、圧縮機を設置するだけでWeb監視を行うことができる。また、当社内サービスシステムとも連携させ省力化を図った。2017年以降、3000台の導入実績があり、ユーザにおける装置の安定稼動や当社メンテナンス・サービスの効率化・省力化にも大きく貢献している。
油冷式スクリュ圧縮機「KobelionTM(コベライアン)シリーズ」
P.52
濵田克徳
コベライアンTMⅣ型シリーズは、スクリュ本体の新開発による基本性能の向上に加え、給油方法や機器選定・パッケージ内部の最適設計による圧力損失の低減などにより、省デュエルビッツ カジノを実現した。本稿において、主な特長と技術について紹介する。
新型オイルフリースクリュ圧縮機「Emeraude-ALETM」
フルモデルチェンジALEⅣ( 132~275kW)
P.56
米田亥央里・宮武利幸
今日、一層深刻化する環境問題から、省デュエルビッツ カジノの積極的な取組が求められている。当社は環境志向の高まりや技術開発状況に合わせて、優れた特性を最大限に活かし、高性能および環境面に優れた新型オイルフリースクリュ圧縮機;ALE Ⅳシリーズ(132kW~275kW)を開発した。圧縮機本体のモデルチェンジ、圧力損失の低減により性能向上を実現した。また新たに開発した吐出サイレンサを搭載したうえで、構造を見直すことによって、低騒音化も実現した。新型ALE Ⅳは、従来機に比べ性能だけでなく、ユーザビリティの向上にも取組んだ商品である。本稿では、今回開発した圧縮機の主な特徴と主要技術を紹介する。
未利用低温排熱を活用するバイナリー発電システム
P.60
藤澤 亮・高橋和雄・前田基秀・川口泰平
未利用の低温排熱から電力を得られるバイナリー発電装置は、今後の低炭素社会の中で再生可能デュエルビッツ カジノを活用するための有用な一手段となりうる。本研究では、環境性および80℃以下の低温度域での出力向上を目的とし、低GWP冷媒の選定と既存装置へのドロップインにより性能特性試験を実施した。その結果、80℃以下の熱源温度では既存装置を上回る発電性能を示すことが確認された。また、得られた結果から空冷システム化された場合の年間累積発電量を試算し、年間平均発電出力のさらなる向上には中間期での性能向上が必要であることを示した。
冷凍機・ヒートポンプの低GWP冷媒対応
P.65
神吉英次・前田倫子
相分離吸収液を活用した低デュエルビッツ カジノ消費型CO2分離プロセス
P.69
前田基秀・中西 健・岸本 啓・重久卓夫
当社は現在、アミンとエーテルで構成される独自の相分離吸収液を活用した低デュエルビッツ カジノ消費型CO2分離プロセスの開発を行っている。本プロセスのデュエルビッツ カジノ消費量の目標は、1.5GJ/ton-CO2である。相分離液はモノエタノールアミンなどの一般的なアミン液と比較してより低温(90℃)での再生が可能であり、液再生に必要な熱量の削減を実現した。加えて、ヒートポンプを導入することで、さらなる省エネを実現できる。プロセス実現には以下の3点、(1)アミンの劣化(アミン共通の課題)、(2)吸収液の発火(相分離液特有の課題)、(3)運転温度を変更した時のデュエルビッツ カジノ消費量の顕著な増減(ヒートポンプ導入による課題)が開発課題となる。これまでに行った検証では、いずれの課題においても大きな問題は見つかっていない。そこで、さらなる検証のために今後実証試験を行うことを計画している。
高圧CO2ターボ圧縮機
P.75
馬場利秋・藤岡輝明・在原広敏・馬場祥孝・岩田卓也
地球温暖化問題に対応するために従来の一軸型遠心圧縮機よりも省エネとなる増速機内蔵型の高圧CO2ターボ圧縮機を開発した。主要部品の設計、要素試験に始まり実機サイズのプロトタイプ機の製作とガス実圧力での定格負荷運転試験までを実施し目標となる性能を満足していることを確認した。さらに信頼性の見える化を実現するために最新の技術を導入して通常の計測では測定できない運転中のロータの安定性、インペラブレードの振動と発生応力、スラスト軸受にかかる荷重の計測にも成功した。機械的信頼性についての評価も行い、長期運転に対しても十分な信頼性を有していることも確認した。
ミドレックスプロセス -その進化と脱炭素製鉄への展望-
P.81
ビンセント シェヴリエ・ローレン ロレーン・道下晴康
1983年にデュエルビッツ カジノ所100%子会社となったミドレックス社は、デュエルビッツ カジノ所およびお客さまプラントのサポートの下、シンプルで高効率なプロセスを継続して革新・改良してきた。これにより、直接還元製鉄のマーケットリーダの役割を45年間果たしてきた。パリ協定後、温室効果ガスの排出低減が課題となるなか、天然ガス・LNGを使用した直接還元法は、製鉄業におけるCO2排出量の顕著な低減が期待できる商業規模で確立された唯一のプロセスである。また、デュエルビッツ カジノを使用すべく進化したMIDREX H2TMにより、CO2をほとんど排出しない製鉄が実現可能である。しかしながら、再生可能エネルギーを基にしたデュエルビッツ カジノが、現状では入手できないほど大量に必要となることが課題である。本稿はミドレックスプロセスおよびその50年間の進化を解説し、デュエルビッツ カジノ社会の到来で実現する脱炭素製鉄を展望する。
金属スクラップを用いた放射性廃棄物処分容器用内容器の製造に向けた技術的課題の検討
P.88
長江拓哉・宮田賢作・中山準平
原子力発電所で発生した金属廃棄物のうち、クリアランス制度の適用が可能なものは再利用することが望ましい。金属スクラップの再利用方法の一つに放射性廃棄物処分容器の内容器用材料に使用する案がある。内容器の製作においては遮へい性能、強度、耐久性の観点から所定の品質を満足する製作方法を開発する必要がある。そこで、金属スクラップを原料とした再利用品の品質を確認するために-20℃シャルピー試験を実施した。その結果、不純物元素の中でりん(P)や硫黄(S)は吸収デュエルビッツ カジノを有意に低下させることが確認された。また、溶接による熱影響部の吸収デュエルビッツ カジノの変化や、適用可能な熱処理条件について、模擬試験体および汎用衝撃解析ソフトを用いて検討した。
ジオポリマによる放射性廃棄物の固化技術の開発
P.93
宮田賢作・西村 務・吉田誠司・西尾隆志・古館佑樹・中山準平
老朽化・遺棄化学兵器の制御爆破処理
P.98
北村竜介
世界でストックパイル化学兵器の処理は終息に向かいつつあるが、ノンストックパイルの処理は今後も続く。老朽化化学兵器や遺棄化学兵器などのノンストックパイル化学弾を分解することは非常に危険で困難である。しかし、制御爆破処理では化学弾を分解せずに処理できるため、老朽化化学兵器や遺棄化学兵器の処理に適している。制御爆破処理では補助爆薬の爆轟により発生する衝撃波や高温高圧状態を利用して化学弾を破砕し、内蔵された化学剤と火薬類を破壊する。当社が開発した爆破チャンバと、それを中心とする化学兵器制御爆破処理システムを用いて、2004年以来、国内外で多くの老朽化化学兵器や遺棄化学兵器が廃棄処理されている。本稿では、開発した化学兵器制御爆破処理システムの概要を紹介する。
化学兵器処理用爆破チャンバの設計
P.102
林 浩一
爆破チャンバは内部で化学兵器を数十kgの爆薬で爆破処理する設備である。耐破片性、操作性、密閉性などの性能を満足するための構造の制限がある。基本の頑健性に対する構造設計には、爆破衝撃波が瞬間の動的荷重であるため、静的圧力を対象とした通常の圧力容器の設計規格は適用できない。近年ASME(米国機械学会)より特別規格「衝撃荷重を受ける圧力容器」が発行され、これを設計指針としている。すなわち、動的圧力解析と動的応力・ひずみ解析を実施し、疲労損傷や局部ひずみ制限など各破壊形態について評価する手法により詳細構造設計が可能となった。ここでは、その設計手法の実践例も含めて紹介する。
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正誤表付加(2022年9月6日)
国内初の内陸型火力発電所(真岡発電所)
P.108
藤尾明久・山本 晃
真岡発電所は、日本で唯一の内陸型大型火力発電所として、2019年10月に1号機が、2020年3月に2号機が営業運転を開始した。本発電所は、総発電能力約125万kWで、空気冷却式復水器を採用したことも大きな特徴である。発電所建設に際しては、設備機器の分割輸送に始まり、現地製作・組立、周辺環境への最大限の配慮などを行った。内陸立地である点に配慮したこうした数々の技術課題を克服したことによって当初の計画どおりに竣工、運転開始につながった。
P.113
デュエルビッツ カジノ技報掲載 エネルギー・環境関連文献一覧表
(Vol.60, No.1 ~ Vol.69, No.2)
P.116
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