>素形材事業>やさしい技術>やさしい技術/銅編 > No.14 内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナス
No.14 内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナス
(アイル2003年2月掲載)
エアコンの省エネ対策として使用されてきた内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナス。
環境対策による冷媒変更で溝形状が高リードに変わり、さらに管径も5mmのような細径へと移行しつつあります。今回は、この内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスについて勉強しましょう。
世界一の「内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナス」生産能力を誇る神鋼グループ
- モンちゃん
- はっくしょん!う~、今年の冬はなんだかとっても寒いですねぇ。
- アンサー氏
- 昨年の夏が結構暑かったせいかもね。ところで、モンちゃんは今どんな暖房機を使っているのかな。
- モンちゃん
- 私はエアコンを使っています。
- アンサー氏
- 昔と比べて最近のエアコンは暖房能力が高くなっているので、暖房機として愛用している人も増えたね。今回は、このエアコンの性能向上に寄与している内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスにスポットをあてよう。
- モンちゃん
- その内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスって、いつ頃からエアコンに使用されるようになったんですか。
- アンサー氏
-
1970年後半のオイルショックで、家電製品の省エネが関心事となり当時の通産省が、ムーンライト計画という高い省エネ目標を決めたことが引き金になったんだ。デュエルビッツ 入金ボーナスは、エアコンメーカーの要請に応じて研究開発を行い、同業他社に先駆け1979年から生産を開始し、現在デュエルビッツ 入金ボーナスグループは日本、米国、マレーシア合わせて3500トン/月という世界一の生産能力を持っているんだよ。
- モンちゃん
- なるほど。それで、その内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスって一体どんなものなのかしら。
- アンサー氏
- そうだね、普通エアコンの中は見ることが無いし、内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスも外観的には普通の平滑デュエルビッツ 入金ボーナスとかわらないものね。ここにサンプルがあるので、よく見てごらん。
- モンちゃん
- わぁー、こんなにたくさん溝がついていて、その溝もねじれているんですね。
- アンサー氏
- 肉眼では良く見えないので、顕微鏡で拡大したものを見るといいよ。内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスはデュエルビッツ 入金ボーナス製品の中で、初めて顕微鏡で検査しながら製造した製品なのさ。
- モンちゃん
- なぜこんな小さな溝が性能を良くするんですか。
- アンサー氏
- 見た目には小さな溝だけど、表面に凹凸をつけたことで表面積が約1.5倍になりねじれが冷媒の流れを改善して、平滑管の約2.5倍にも管内の熱伝達係数が良くなっているんだよ。
- アンサー氏
- そういわれても実感がわかないなぁ……実際に、エアコンの性能をどれだけ変えたんでしょう。
- モンちゃん
- 1975年頃のエアコンと最新のエアコンを比較すると、COP(エネルギー効率)で3.5倍程度になっているね。これには、アルミフィン、圧縮機、ファン、インバータ等多くの改善が含まれいるのだけれど、内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナス無しでは実現できなかった思うよ。
小さな溝のパワーで、エアコンの性能をアップ!
- モンちゃん
- 内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスがエアコンの性能を向上させる理由を、もう少しやさしく説明して欲しいんですけど。
- アンサー氏
- それには、エアコンの仕組みを理解する必要があるね。エアコンは色々なタイプがあるけれど、日本の家庭で一般的なセパレート型について説明しよう。モンちゃんの家にあるエアコンは、室内と室外にユニットが分かれているだろう。
- モンちゃん
- たしかに室内で空調されたエアーを吹き出すユニットと、もうひとつ室外にもユニットがあったわね。
- アンサー氏
-
実は,その両方のユニットの中に多数の内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスにアルミの薄いフィンを交差させた熱交換器があり、室外機には圧縮機が入っているんだよ。圧縮機ではフロンという冷媒ガスが圧縮され、これを熱交換器で冷やして液化し、次の熱交換器で気化させ、また圧縮機に戻すという動作が行われているんだ。
この冷媒を液化する熱交換器が室内にあると熱を放出するので暖房され、この時室外の熱交換器では冷媒が気化されるので冷風が出ることになる。また、室内外の熱交換器の作用が逆になると、室内が冷房されることになるよ。
- モンちゃん
- うーん、まだよくわからないなぁ……。
- アンサー氏
- たとえば、注射をするときのことを思いだしてごらん。注射の前にまずアルコールで消毒されるけど、その部分って冷たくなるよね。
- モンちゃん
- たしかにそのように感じるわ。
- アンサー氏
- この現象は液体が気化、つまり蒸発するときに、回りの熱を奪うという性質があるためなんだけど、これと同じことが熱交換器の中で起こっているんだよ。また、この逆に液化、つまりガスから液体に変化する時は、熱を放出することになるから温度が上がるんだ。そして熱交換器の後ろにファンを置いて風を送ることで、涼しい風が出たり暖かい風が出たりして空調ができるという訳さ。
- モンちゃん
- そうかぁ!では、なぜ内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスが伝熱性能を良くするんですか。
- アンサー氏
- 内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスは、内面にたくさんのねじれた突起がついているよね。管内で冷媒が気化、つまり液体からガスに変わる時に、冷媒が流速によりこの突起に沿って押し上げられる。それが突起の隙間に入ってとても蒸発しやすくなるため伝熱性能が非常に良くなるんだ。また、管内で冷媒が液化、つまりガスから液体に変化する時には、冷媒が突起部で凝縮しやすく、同時にねじれがあるために重力で下側に移動しやすくなり、最終的に伝熱性能が良くるんだよ。
- モンちゃん
- じゃぁ、ヒートポンプの意味は……。
- アンサー氏
- それは良い質問だね。この分野で日本は世界をリードしているんだ。この技術により、エアコンが冷房だけでなく暖房にも使われるようになったんだよ。これは、低温側で熱を有効に取り込むことで、圧縮機で使用するエネルギーの数倍もの出力が得られるんだ。最新の機種では、圧縮機エネルギーの6倍強のエネルギーが得られているよ。
- モンちゃん
- 内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスの性能は、どのようにして評価するんですか。
- アンサー氏
- 一般的には、単管伝熱性能測定といって、内面溝付銅管の周りに水を流して管内の冷媒と熱交換させて評価しているんだけど、デュエルビッツ 入金ボーナスは風洞による熱交換器の性能評価もできるんだよ。また、熱交換器組立のための各種設備も所有していて、試験用の熱交換器を試作でき、いろいろな加工ノウハウも持っているんだ。
熱交換器 伝熱性能測定装置(風洞)
冷媒:R22,R410A,R407C
熱交換器サイズ:650mm×500mm
単管伝熱性能測定装置
冷媒:R22,R410A,R407C
チューブサイズ:φ4.0~12.7mm
さまざまな進化を続ける「内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナス」
- モンちゃん
- 顕微鏡で検査するような内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスを、どうやって造るのかすごく不思議なんですけど…。
- アンサー氏
- 内面溝付銅管の加工機はデュエルビッツ 入金ボーナスが技術開発を積み重ねてきた成果なんだ。概念図に従って簡単に説明しよう。
保持プラグへ回転自在に取付けた溝付プラグを管内に入れ、ダイスで保持プラグを所定位置に固定しておき、溝付プラグ部の管外側から複数個のボールを高速回転させながら押付け、デュエルビッツ 入金ボーナスを連続的に引抜くことで加工するんだ。
溝付プラグの形状がデュエルビッツ 入金ボーナスの内面に転写されて内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスができため、この加工法を転造加工と呼んでるのさ。
- モンちゃん
- なんだか生産性がすごく悪そうですねぇ。
- アンサー氏
- 内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスの生産性は、デュエルビッツ 入金ボーナスの周りを回転するボールをどれだけ早く回転させるかで決まるんだけど、数千メートルもの製品を安定加工しているのは驚異的だよね。内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスの製造を開始した頃は、歩く速度より遅いくらいで加工されていたけれど、最近は高速モーターにより当時の数倍になっているよ。でも、平滑管の加工速度と比較すると1/10程度なので、どうしても加工費が高くなってしまうのさ。
- モンちゃん
- ところで、溝の形状には、どんなものがあるんですか。
- アンサー氏
- 内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスも大量に生産され始めて以来23年を経過したけど、その間にもいろいろと溝形状が変化してきたんだ。一番最初の形状は『三角溝』で三角形状が連続した型だった。次に『台形溝』といってフィン(突起)部の間に平坦部をもったものが出現して、さらに高性能として『ハイフィンスリム』というフィンが高く尖った形状へと変わってきたんだよ。
最近では、冷媒が地球環境対策のため塩素を含まない混合冷媒用となり、軽量で高性能が得られるようねじれを大きくして、ねじれ角度が40度を超える製品もでてきたよ。
- モンちゃん
- へぇ、ねじれは大きくなってきているんだぁ。
- アンサー氏
-
ねじれを大きくすると凝縮性能が大幅に改善できて、エアコンの暖房性能が良くなるんだ。また、リード角を大きくしても単位質量が増加しないから、経済的な性能向上の手段として活用されている。新冷媒のR410Aが圧力損失が小さい特長を持っていて、その技術が使われるようになったんだよ。
- モンちゃん
- 管径は細いタイプのものが主流になってきたんですよね。
- アンサー氏
- そうだね。管径を細くすると空気側の抵抗が小さくなって風速を上げることができるから、熱交換器の性能がアップするんだよ。それと、管径が細くなれば、それだけエアコンの小型化にも貢献できるしね。
- モンちゃん
- そういえば、溶接溝付デュエルビッツ 入金ボーナスというのもあるって聞いたことがあるんですけど。
- アンサー氏
- 溶接溝付デュエルビッツ 入金ボーナスは、V溝形状やW溝形状等の複雑な形状を加工できるため、一時エアコン各社が採用に動いたけど、製造コストが合わず専業メーカーが廃業したことにより、国内では使用されなくなってしまったね。これには、ねじれ角度を大きくして性能改善したことで、溶接溝付デュエルビッツ 入金ボーナスの性能優位性が無くなったことが関与しているようだよ。
- モンちゃん
- 内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスは、エアコン以外にも使用されているんですか。
- アンサー氏
- もちろん、いろいろな用途に使われてるよ。たとえば、スポットクーラー、車両用冷凍機、除湿機等の低温空気機器の他に、低温の水を造るチラー用の二重管式熱交換器や乾式蒸発器としても使用されているんだ。また、最近ではノートパソコンのヒートパイプ用として直線溝の内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスが大量に使用されているね。
- モンちゃん
- 今回はデュエルビッツ 入金ボーナスの秘密兵器である内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスについて、大変勉強になりました!これからもどんどん進歩して、新しいものが生まれていくんでしょうね。数年後の内面溝付デュエルビッツ 入金ボーナスがどのように変化しているか楽しみにしたいと思います。